児童養護施設は、児童福祉法に基づいて、環境上、養護が必要な子どもを受け入れる施設で、全国に612施設あります（2022年9月現在）。

子ども達の入所理由は、いろいろな事情で保護者がいない、または面倒をみられない、虐待からの保護など様々です。

施設は子どもたちの日常生活のケアと自立に向けた支援をしています。

一舎の児童数に応じて「大舎制（20名以上）」「中舎制（13～19名）」「小舎制（12名以下）」に分かれています。

その中でも6～8名の人数で生活するのが小規模グループケアで、さらに本園から離れた民家を利用して生活するスタイルが「グループホーム」として区分されています。

あえて例えるなら、学生寮やホームステイのようなイメージでしょうか？

子どもたちにとっては、今はここが「家」の代わり。

集団生活ではありますが、一般家庭と同じような暮らしぶりです。

お小遣いやお年玉もありますし、遠足や運動会の学校行事には職員も参加します。

出かけるのも自由で、友だちの家に遊びに行くことも、ご家族と面会することも制限されていません。

友だちが敷地内に遊びに来るのもOKです。

ただ、生活の場がここだというだけなのです。

子ども達は、やがてここから巣立っていきます。

家庭に戻る場合もあれば、社会人として自立していく場合もあります。

しかし、退所した後に何か悩みを抱えた時には、相談したり力になったりするアフターケアを実施しています。

場合によっては、空いている部屋で一時的に宿泊することもできます。

巣立っていった子ども達にとって、いつでも里帰りできる“実家のような拠り所”となることが、私たちの日々の願いです。